フリートーク 長唄エピソード (意味も知らずに.....)

暫くぶりに、私の趣味のことを書きたいと思います。
このブログを書き始めた時に、ちょっと三味線のことについて触れました。
私の生まれ育ちが東京の佃というところで、正に下町のど真ん中。(でも今は風情は.....。)
そんな中で、三味線という楽器が日常に結構溶け込んでいた時代だったように思います。
外でメンコやベーゴマをしていても、2階からもろに三味線の音が聞こえていた訳です。
当然、覚えちゃうんですねー。それも長ーい唄を。『門前の小僧、習わぬ経を読む』状態です。
長唄勉強会 日本橋三越劇場 昭和34年(右より二人目が母)
何気に突如三味線を弾き始め(小学校1年くらいであったと思う。)たものの、母は特に驚きもせず、また一切自分の子供に面と向かって教える素振りなし。(結構放任主義) 
今みたいにCDなど音楽媒体もなく、78回転のレコードのみだから、覚えるのは自分の耳と文化譜(三味線の楽譜)。 
それを解りやすく言うと、ピアノでいうところの教本レベルが、バイエル⇒ツェルニーくらいまでは何とか進行した状態。まして小学生低学年では、まだまだ理解まで及ばず、特に作品内容や、邦楽の間。(音符に表せない間合い)、唄の掛詞の意味など知る由もない。

ある日、母の三味線仲間が訪れ、2階で手合せ(練習)をしに来ていたのです。
このような練習の最中には、子供ながらも邪魔はしていけないことくらいは理解していたので、別な場所でじっとしているんですが、ただ手合せが終わると、極力顔を出す目的が私にはあったんです。 そう、お客さまがおこずかいをくれるから.....。(大体次男坊は要領にたけている!)
そしてその時も襖を開け、
『こんにちは』(目的みえみえでご挨拶!)
『あらーっ こんにちは。  みつおちゃん! 今何をおさらいしてるのー?』
『うん。いまは 〝秋のいろだね〟』

『〝秋のいろだね〟.......?』

母とお客様がお互い顔を見合わせて、思わず吹き出している。
(なんか変な事言ったのかなー?)

『いやだよーっ この子ったら......。  それを言うんだったら、 秋の色種(くさ)だろー?』
『ほんと、ませちまってイヤな子だねー。』

その意味が分かったのは、だいぶ大人になってからであった。

****次回長唄エピソードは..... 更にいい楽器(三味線)がほしくなる。です。*****


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