昔、昔、その昔、日曜日の朝に、テレビでこんな番組があったのを覚えている人は何人いるでしょうか? 細棹三味線 その番組というのは、一部上場企業の役員以上の錚々たるトップが、毎回4-5人づつ出演。ネットで調べても出てこない時代の話ですが、お稽古した長唄を披露するという、今では考えられない番組があったのです。 企業のトップたる者の『嗜み(たしなみ)』として、というところがあったのでしょう。 いまそれをやったら、逆に企業トップがそんな事してていいの?なんて突込みが入るでしょうね。 まあ、今よりも時間がゆったり流れていた時のお話なんですが....。 それでも年末年始には、縁起物としての邦楽(長唄の演目で言えば松の緑とか末広がり)がよく放送されていました。ですがそれさえも、高度成長期を境に、邦楽と言われるものが、全く姿を消してしまう事態になっていったのです。 今はNHKでも夜に邦楽の番組が復活していますし、うれしい限りではあります。 せっかく日本が世界に誇れる様々な文化が有りながら、日本人自体がまだまだ気付いていないというのは残念でなりません。 実は、このシリーズを書かなければと思ったのも、Google+やFacebookの若い人たちの中で、一生懸命頑張って、少しでも邦楽を広げようという人たちと出会ったからなんです。特にその発信に対して、外国の人たちの反応がすごい!(*_*)。日本でなくて何で海外から? 私一人が熱く語ったところで、何のお手伝いもできませんが、これから少しづつシリーズの中で触れていきたいと思っています。 ただ私自身、三味線のプロではありません。ただ生立ちの中で、傍らに常に三味線がそこにあったというレベルですので、多少ずれるかもしれませんが、そこはご愛嬌で勘弁してください。 そこで今日は、皆さんが実物としてあまり見たことが無い、楽器としての三味線の話です。 三味線は、大きく分けて、皮が貼ってある胴、指で絃を押える棹、絃を巻き取る糸巻部分の3つから出来上がっています。主な構造材としての木材と、その他の部品で構成されていています。 木材も使用する部分によって違っていて、 花梨、紫檀、黒檀、紅木など、 木とはいえ非常に硬い硬度をもつ素材で作られています。(比重も1.2程度 水に沈む) またそ...