エジプトの出来事② (ポッポッポー はとポッポー♪)

夕暮れ時のカイロ到着。入国を済ませクループが集まると流暢な日本語でみんなを集めている女性が....。 どうも私たちの現地添乗員らしい。よく外国人が話す癖のある日本語と違って、言葉だけを聴いていると全く日本人の発音なので、外国人(エジプト人)と思えない位、実に流暢に日本語を話しているのでびっくり。
『ダリアさん。日本語はどこで勉強したの?』
『はい、自己流なんですぅー。』
『日本へは行ったことあるんでしょ?』
『いいえ、それが無いんです。行ってみたいんですけど.....。日本語はドラマのビデオとか見て覚えました。』  
グループの人達も、流暢な日本語にびっくりしている。きっとすごい努力をしたんだろうと思う。


そんな彼女に先導されていよいよツアーがスタート。 
旅程はカイロから、南はアブシンベル、アスワン、王家の谷、ルクソールまでめぐる。点在する観光スポットをほぼ網羅する形なので結構ハードワークな旅。 (王家の谷では気温50度を体験!)




小グループなので例の一日ショートカットしてしまったロスを感じさせず、順調に観光スポットをこなしている。でもこの暑さは狂気の沙汰としか思えない?ような。熱光線に体をギュっとつかまれるような痛い暑さは........。水をこまめに飲まないと死ぬと言われ、飲んでいるけど持っているボトルがすぐぬるま湯になってしまうくらい。もはや未知の体験状態。
それでもあら不思議。日陰に入ると実に涼しい。湿度が低いせいでこんなに暑くても汗が出ない、と言うか出る前に蒸発してしまう。(流石死の谷、だからミイラが持つわけダー)   
エジプトの古代史に全く興味ない私ではあったけど、それなりに楽しむことが出来た.....。
でもねー。ちょっと食べ物がねー。 美味しくないというか、日本人客を考えてのことなのか、都度セッティングされている料理がどこと無く西洋風にアレンジされている。 味覚にうるさい日本人の悪い癖だけど、モニターツアー客としてはせっかくエジプトまで来てるんだから、本格的なエジプト料理が食べたーいっ!みんな同じように感じていたみたい。
(個人的には、別途評判のレストランで地元料理を食べてみたが、実に美味しい。)
そこで全員のリクエストに応えたのか、有名なレストランに案内してくれると言うことに......。
何を食べさせてもらえるかは着席するまで誰も知らなかったけど、美味しければそれでよしっ!
レストランに到着。石造りのゲートをくぐり、両脇が壁になっている通路へ。
エントランスは更にその先にあり、エジプトらしい雰囲気が漂っている。 
丁度その両壁面にはどういうわけなのか15センチくらいの横穴か30個以上空いている。 
 
『あっ!穴の中に鳩がいるーっ!』  ポッホ゜ー ポッホ゜ー
『こんだけ暑いから避難場所じゃないのー?』  ポッホ゜ー ポッホ゜ー
『伝書鳩飼ってるのかもー』  ポッホ゜ー ポッホ゜ー
『面白い入り口だよねー!』  ポッホ゜ー ポッホ゜ー
『でもねー、鳩の糞がねー。ちょっと臭うよねー』  ポッホ゜ー ポッホ゜ー


客席に着席するとダリアさんがニコニコしながら大きな声で....
『今日は鳩料理でーす!』


『.............まっ、まさかさっきの............。』


全員のリアクションが見事に一致してしまった。そりゃそうでしょ!さっきの鳩が......。  
コレには流石のダリアさんも慌てた。
『鳩がだめな人ーっ?』
一人を除く全員が一斉に手を挙げる。 手を挙げた人に、全員の視線が向けられる....。
『だって...せっかくだから....。』  
やさしいっ! っていうか何て残酷なーっていうか。みんなの視線を受けて困っている。 
挙手の結果、その一人を除き全員が鳩料理の名店に来て、なんと魚料理を食べることに....。


贅沢というか、わがままな日本人の本性を、きっとダリアさんはその後のツアーでも活かしてくれていることでしょう。 楽しいツアーに感謝!





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