2016年6月3日金曜日

フリートーク 長唄エピソード (あっ!思い出したー。偶然の出会い。)

皆さん、屋形船って乗ったことあります?  
最近の屋形船
そう、こんなんです。今はね。  一昔前までもう少し小ぶりだったんですけど、このくらいの大きさになりますと、結構な人数が乗れるもんです。
今日はもうちょっと小さい30人乗り位の屋形船での出会いをお話ししたいと思います。

広告会社の大手で“電通”という会社があります。メディア広告以外にもいろんなことをしている会社で、この時も“屋形船に乗って、落語と新内を聞こう”なんていう募集だったんですが、なんとこの時の乗船条件というのがありまして、全員着物着用! 江戸情緒を楽しむということでのプランニングだったんです。
乗船もなんと佃からという粋な計画で早速、乗り込んでみたのです。
乗船場所の佃小橋
なかなか面白い企画だったので、定員いっぱい。
私は、長唄ではないんですけど、新内三味線が聴きたくて参加したんです。
江戸の庶民情緒の一つですね。 
揚げたての天ぷらや刺身をつまみながら、一杯やりながら2-3曲聞いていると、まん前に座った、当時10代後半の男の子?が私はどうも気になって仕方がありません。
こんな若い子が新内を理解できるんだろうか?
『新内ってどう?』から始まって一人で来たの?とか、矢継ぎ早に質問すると、どうも母親と一緒ということらしい。 
私も小さいころから長唄をやっていることや、いつしか話題は長唄全般論へ。
そして話せば話すほど、異常に詳しい。詳しすぎる。なんか変。私は思わず....。
『お兄ちゃん。名前は?』
『はい、ボク松永といいます。』
.........!!..........あっ!  
『長唄の?』
『はい!』
『いやー、道理で詳しいわけだー。』
その日は、新内ではなくて長唄の話ばかりで盛り上がって終えたのでした。

いま、そのお兄ちゃんは 松永鉄九郎さんと言って頑張っておいでのようです。